海外のアーケードゲーム狂が、3年かけて日本のゲームセンターを取材して撮影したドキュメンタリー映画、『100 Yen』を見ました。
100 Yen: The Japanese Arcade Experience | Insert coin. Blow your mind.
どんな映画?
上手くまとまらなかったので以下の記事を参照のこと
日米のゲーセン文化を外国人が描くドキュメンタリー映画『100YEN』がDVDでついにリリース : Kotaku JAPAN
見てみた
アーケードゲームの歴史とゲームセンター今昔
アーケードの歴史の章では「スペースインベーダー」、「ストリートファイターⅡ」、「Dance Dance Revolution」の3作品はゲームセンターのビジネス構造すらを変えたパラダイムシフトを引き起こした作品と述べられていたのが印象的でした。
これら3つの時代を対称的に描いていて、時代の遷移によるゲームセンターの移り変わりの描写が上手かった。
平成生まれの僕は、どの作品もリアルタイムの世代ではないのだけど、当時の熱狂というのはどれも凄まじかったんだなあと片鱗を味わえました。 00年代以降、ゲームセンターの規模は縮小し続けていて、まだ第4のパラダイムシフトは訪れていないみたい。最近は基本無料のアーケードゲームが出てきたりと、アーケード業界も変化し続けているけれど、紹介されていた時代のような、社会現象になる域まで来る変化というのはもう訪れなさそう。
ゲームセンターの社会的役割
『ストリートファイターⅡ』以降のゲームセンターは、ゲームを通したコミュニティを形成し、サロンのような役割を果たしている、という考察がされていて、ゲームというのは、社会と関わりを持つための潤滑油という側面が強いなあと感じました。
ゲーム自体が楽しい以上に、ゲームを通じて誰かと交流したり、あれこれ話しあったり、そういった環境全体こそがゲームのもたらす重要な体験だというのは今も昔も変わらず。 昨今のソーシャルゲームブームも、一見アーケードとは対極の位置にいるように見えるけど、こういった系譜を受け継いでいるんだなあと考えると、なにかインスピレーションが沸く感じがしますね。
北米と日本のゲームセンター
劇中では始終、「北米ではゲームというのは子供の遊びで一般層に受け居られていない」「日本ではゲームセンターを軸に国民皆が楽しんでいて、文化の一つになっている」と言われていました。
日本人からすると、評価されて嬉しい一方で、果たして日本では一般にゲームが受け入れられているのだろうかと違和感を覚えざるを得なかった。
日本のゲームセンターは確かにライト層にも入りやすいような企業努力がなされているのだけど、それ以上にゲームなんて眼中にない層が多数存在しているので、まだ文化と言えるレベルには達していないのでは、という感想を持った。やはりゲームセンターはまだまだ敷居が高い感じが否めない。
総評
僕はゲームはタダの暇つぶしではないと考えてゲームを作り続けているけど、劇中でも作り手としても、遊び手としても、ゲームに人生を捧げている人がたくさん登場して、自分はまだまだだなあ、という気になりました。
最近、『幸せな未来は「ゲーム」が創る』という本を読んでいて、その中でも述べられているのだけど、ゲームはタダの余暇ではなく、人類そのものを幸福にする可能性を秘めてるという主張はステキな感じがしますね。
見たい!という方は
以下の公式ショップでカナダから輸入できます。DVDと送料で39.98カナダドル。約4000円。
リージョンフリーの日本語字幕付きなので、問題なく楽しめます。
わざわざ輸入するのは敷居が高い感じあるのでダウンロード販売あるといいですね、って書こうと思ったら、iTunesでも販売されているみたい。
iTunes - Movies - 100 Yen: The Japanese Arcade Experience
これ、米国版のiTunesでしか販売してないんですけど、字幕とかちゃんと付いてるんですかね。不安な方はDVDを輸入することをオススメします。