5.1さらうどん

@giginetの技術ブログ。ゲーム開発、iOS開発、その他いろいろ

音を奏でる奥スクロールRPG『VOXCHRONICLE -オクスクロニクル-』リリースしました

f:id:gigi-net:20130512145921p:plain

VOXCHRONICLE - gigi-net.net

去年の秋頃からチマチマ作っていたiPhone向け奥スクロールRPGVOXCHRONICLE -オクスクロニクル-』、ついに公開です!長かったー!

VOXCHRONICLE for iPhone, iPod touch, and iPad on the iTunes App Store

f:id:gigi-net:20130512161144p:plainf:id:gigi-net:20130512161149p:plainf:id:gigi-net:20130512161156p:plain

どんなゲーム?

行動と音楽が同期する奥スクロールRPGです。

主人公『オクス』が奥へと進み続けていくので、毎ターンコマンドを入力してオクスを安息の地まで導いてください。

一番の特徴は、プレイヤーの操作に同期し、リアルタイムに次々とメロディが紡がれていきます
1ターンが1小節に対応していて、ターンの長さは曲のBPMに依存します。

また、場の状況や盛り上がりを総合的に算出し、空気を読んだ曲展開になっていくのも特徴。


どんなゲームか一言で形容するのは難しいので、無料なのでとりあえず一度遊んでみてください。ここにしかない唯一無二のゲームだと自負しています。

外見は音ゲーRPGという皮を被っていますが、核の部分は硬派なレトロアーケード。しっかり遊びこまないと完全クリアは難しいバランスに仕上がりました。

初心者から上級者も納得の全9ステージ

前作(後述)は3ステージだったのに対し、今作はステージ分岐が付き、全9ステージに!

サクッとクリアできる初期ルートから、開発者でもうんうん唸る最難関ルートまで全4ルート!ステージによって曲も見た目もガラッと変わります。

f:id:gigi-net:20130512163448p:plain

f:id:gigi-net:20130512163548p:plain

豪華14曲

特筆すべきは豪華な作曲陣。プロ含めた音屋12名による書き下ろし14曲。インディーズゲームでは他に類を見ない物量を誇っています。

データ量としては前作は16小節3曲で48小節だったのに対し、今作は50小節前後の楽曲14曲で750小節以上!

この物量を感じ取って頂けますでしょうか。

個性的なボスたち

ステージの最後に待ち構えるボス達も個性的。守って、攻めて、キャラを切り替えて、多才な戦略が要求されます。

f:id:gigi-net:20130512163306p:plain

最後にはQTEでトドメの一撃。

f:id:gigi-net:20130512161201p:plain

充実のチュートリアル

前作はルールの説明を放棄していましたが、
今作は丁寧なチュートリアルを実装!遊びながらにしてルールを把握できます。

f:id:gigi-net:20130512160348p:plain

実績、モンスター図鑑、やり込み要素

GameCenterのAchievementに対応。さまざまなお題で何度も遊べる!

f:id:gigi-net:20130512163853p:plain

全54体の倒したモンスターが記録される『モンスター図鑑』、最速クリアを競うなどのやり込み要素も満載!

f:id:gigi-net:20130512163820p:plainf:id:gigi-net:20130512163847p:plain

前作『VOXQUEST』

このゲーム、実は昨年公開した『VOXQUEST』の続編となっております。


iTunes App Store で見つかる iPhone、iPod touch、iPad 対応 VOXQUEST

音を奏でる奥スクロールRPG『VOXQUEST -オクスクエスト-』公開しました - 5.1さらうどん - 過去ログ

『VOXCHRONICLE』から入っても全く問題なく遊べるので、気に入ったらこちらもあわせてどうぞ

プレイ動画

全9ステージのうち、比較的簡単な荒野→森林→古城ルートのプレイ動画です。

最後は4つあるエンディングのうちの一つ。残りは君の目で確かめよう!

技術的な話

このゲームはcocos2d-xにて実装されていますが、音楽を自動生成する複雑な仕様を実装するために、なかなか面白い技術をたくさん取り入れています。

また、このブログでも何度も取り上げているLua-Bindingを用いた通称「オクスクリプト」によるレベルデザインを行っていたりします。

近々、細かな仕様と共に、別の記事にまとめたいなぁ、と考えておりますのでお待ちください!

ソースコード

なんとオープンソースです。ご興味のある方はぜひ!

(5/13追記 誤解を招きましたがCC-BY-NA-NDです。オープンソースと言うよりもソース公開が正しい)

gitのコミットログが1500近くに達していて、かなりの規模になってしまいました。

giginet/VOXCHRONICLE · GitHub

開発

札幌ゲーム制作者コミュニティKawaz


なかなか尖ったゲームに仕上がりましたが、ゲームの出来は自信アリ。いろんな人に遊んで貰えると嬉しいなぁ!

iPhoneゲーム開発に役立つツール13選まとめ

みなさん、iPhoneでゲーム開発してますか!

iPhoneでのゲーム開発は、cocos2d for iPhoneを初めとして、cocos2d-x, Kobold2D, Unity, Corona SDK, GameSaladなど、様々な開発環境で割りと手軽に行えるようになってきました、


それに伴って、非プログラマ向けのゲーム開発支援ツールも非常に充実してきていますが、日本語で読める詳しい記事が少なかったことが気になったため、自分が使っているモノをまとめてみました。

デザイナー向け

CocosBuilder

f:id:gigi-net:20130223123219p:plain
CocosBuilder – Graphical Interface Builder for Cocos2D iPhone and iPad

GUI設計ツール。

コードでちまちまとスプライトを配置していくのは発狂するので、GUIツールを使った方が楽。読み込み用のライブラリも付属していて、吐きだしたファイルを簡単にゲームに反映できます。

cocos2d/cocos2d-x両方から利用可能なのも嬉しい。


GlobalGameJamの時に実戦投入してみたんですが、画面のOrientationが勝手に戻ってしまったりと、少々バギーなところがあってなかなか使いづらいかも。

Particle Designer

f:id:gigi-net:20130223122402p:plain
71 Squared: Particle Designer - Particle Simulation Editor for OSX

OpenGL向けの美しいParticleを簡単にデザインできるツール。UnityやBlenderなどに付属しているパーティクルツールに近い使い勝手で簡単に利用できます。

非常に手軽にエフェクトをリッチにできるので、導入しない手はないかと。ライセンスも1400円と非常に手頃なので購入をオススメします。

zwoptex

f:id:gigi-net:20130223122418j:plain
Zwoptex

複数画像をまとめたTextureAtlasを簡単に生成してくれるツール。

上手く利用できれば、パフォーマンス改善が見込めるため有用な感じです。

簡単なゲームの場合、ムリにテクスチャを1枚にまとめずとも遊べるモノは作れるので、必要になったら導入する程度で良いかと。

Sprite Helper

f:id:gigi-net:20130223122709p:plain

SpriteHelper | Game dev Helper

スプライト生成用のツール。前述のzwoptexと同等の機能の他、物理エンジンの属性の設定やアニメーションなどがGUIで手軽に行えるようです。

また、後述のLevel Helperとも連携ができるらしい。

ガッチリ使ったわけじゃないので、以下の記事を読んでみると良いかと。

サクッと Cocos2D ゲームを作ろう!(1)SpriteHelperでのテクスチャー処理 | Zero4Racer PRO Developer's Blog

スクリプター・プランナ向け

Level Helper

f:id:gigi-net:20130223122502p:plain
LevelHelper | Game dev Helper

cocos2d/cocos2d-x向けレベルデザイン支援ツール。

マップの設計やアニメーション、演出などがかなり自由に設計できるようです。

これも買って使ってみたわけではないので、便利そうだったら誰か詳しく教えてください

Code Helper

f:id:gigi-net:20130223122545p:plain
CodeHelper | Game dev Helper

Corona SDK, cocos2d-html5特化のLua, JavaScript IDE

トライアル版のみしか使っていませんが、設定項目がほとんどなかったりと、機能面ではまだ不十分だなぁと感じました。

これらの開発環境で補完を利用したい場合には便利そうですが、単にLuaIDEが欲しいぐらいなら後述のLua Development Toolsを使うのが良いのかも。

Lua Development Tools

f:id:gigi-net:20130223122603p:plain
Koneki - Lua Development Tools, an IDE for the Lua programming language

Eclipse派生のLua向けIDEXcodeLuaをサポートしていないので、スクリプターにはこれで書いてもらうのがオススメ。vimは敷居が高いですしね。

基本的な機能は揃ってるし、クロスプラットフォームだし、取っつきやすいのでちょっとしたコードを書くぐらいならこれで十分なのかも。

ちなみに、Xcode4でLuaシンタックスハイライトを有効にするプラグインなんかもあるので、一応導入しておくと良いかも。

bastos/lua-xcode-coloring · GitHub

Tiled Map Editor

f:id:gigi-net:20130223122808p:plain
Tiled Map Editor

よくあるマップエディター。cocos2dでは最初からこの形式のパーサーが用意されているので、はき出したファイルを簡単に利用できます。

Qtで実装されているので、クロスプラットフォームで利用できるのもポイント高い。

マップを実装する類いのゲームであれば、このツールを利用できる設計にしておいた方が良いかと。

プログラマ向け

Dash

f:id:gigi-net:20130223110521p:plain:w128
Mac App Store - Dash (Docs & Snippets)

高速シンプルなドキュメントビュワーツール

ゲームやiPhone開発に限らず、Macでの開発者必携のツールな気がしています。

利用可能なドキュメントの量が膨大で、iOS SDKはもちろん、ゲーム開発にだけに注目してもcocos2d, cocos2d-x, Kobold2D, Unity辺りが完全に網羅されています。C++STLLua、Box2Dなどのドキュメントも用意されているので、どのような開発環境であっても役に立ちます。

f:id:gigi-net:20130223123102j:plain

XcodeやAlfred/QuickSilverとも連携できて強力。とりあえず導入しておきましょう。

デバッガー向け

TestFlight

f:id:gigi-net:20130223105906p:plain
TestFlight » Beta Testing On The Fly

もはや語る必要もないチーム向けデバッグ版リリースサービス。

これもゲーム開発に限らず、iPhone開発者には欠かせないツールなのではないでしょうか。

iPhoneアプリの複数人開発にはもはや必須になってきてますね。開発者はともかく、デザイナーや音屋さんが実機の動作を確認するのに重宝します。

詳しい使い方は下記ページなどを見ると良いでしょう。

TestFlight とりあえずどんなものか | MUSHIKAGO APPS MEMO

Reflector

f:id:gigi-net:20130223112958p:plain:w128

Reflector.app - AirPlay mirroring to your Mac or PC, wirelessly.

チームメンバーがiOS実機を持っていなかったり、効果音を付けるために動画で動作を確認したいという需要があるでしょう。

そんなときにオススメなのが、iOS端末の動画を簡単に撮影できるReflector。

簡単に撮影できて、ゲームでも処理落ちはあまりしないです。

PV撮影や、ドロワーを起動したiPadの画面をミラーリングして、Skypeで画面共有し、お絵かきチャット代わりに使う、なんて使い方も。

その他いろいろな状況で便利なので、シェアウェアですがライセンスを持っておくと便利。

WunderList

f:id:gigi-net:20130223115441j:plain:w128
Wunderlist 2 - Your beautiful and simple to-do list

クラウド型のタスク管理ツール。

タスク管理については各々使いやすいモノがあると思いますが、導入してみて上手くいったモノをご紹介。

githubのissueは非プログラマには敷居が高かったり、ブラウザを開いていちいち登録するのが地味に煩わしかったりするので、思いついたらホイホイと投げれるWunderListは結構便利でした。

チームメンバーで同期して利用できるし、クロスプラットフォームなのもポイント高い。TestFlightとあわせたバグ報告などに便利です。

f:id:gigi-net:20130223122836p:plain

カテゴライズが貧弱なので、大規模な管理には向かないかもですが、一応ご紹介。

その他

GameSalad

f:id:gigi-net:20130223115759p:plain:w128

Game Design Engine, Make Games for iPhone & Android - GameSalad

全然使ってないけど、ちょっと注目しているのでご紹介。

コードを書かずに簡単にiOS/Android向けのゲームが作成できるツール。

f:id:gigi-net:20120517100555j:plain

使い勝手は「MultimediaFusion」や「Scratch」などに近いかも。

初学者にはまだ英語版しかないのが若干敷居が高いかも、という印象。

フリーで利用できるし、書籍も出ているようなので、今後流行ると良いですね。

まとめ

如何でしたでしょうか!

こんな感じで、非プログラマでもゲーム開発に参加しやすい下地が整ってきたように感じます。

上手く使いこなせれば、分業して大作を開発するのに役に立つかと思います。


この記事がなるべく多くのゲーム開発者の一助になれば幸いです。


この記事を読んでゲーム開発にご興味を持った方は札幌ゲーム製作者コミュニティKawazにどうぞ。ゲーム作りましょう!