5.1さらうどん

@giginetの技術ブログ。ゲーム開発、iOS開発、その他いろいろ

波をかわして曲を紡ぐ、カジュアル中毒ゲー『Wave Weaver』をリリースしました

ダウンロードはこちらから!(無料)

for iPhone / iPad

https://itunes.apple.com/jp/app/waveweaver/id841280819?at=10l8JW&ct=hatenablog

iTunes の App Store で配信中の iPhone、iPod touch、iPad 用 WaveWeaver

for Android

Android app on Google Play

Wave Weaver - Android Apps on Google Play

どんなゲーム?

やってくる波と同じ色を選び続けて、ひたすら波を避けるゲームです。

簡単操作ですが、なかなか手応えのある調整になっています。

1レベルはわずか15秒。レベルが上がるに従って、だんだんと難易度が上がっていきます。

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ユーザーの反応

攻略

最初は始めて5秒ぐらいで死んでしまうでしょう。しかし、波の出現パターンは完全なランダムではなく、ある程度は一定です。

そのため、一見すると困難に見える場所でも、何度かやれば必ず突破できます。続けていればスコアがみるみる伸びていくのを実感できるでしょう。

画面下方のカラーバーは、スライドでも動かすことができますが、断然タップ操作がオススメ!遊びやすいスタイルでプレイしてみてくださいね!

そして、航海の果てに待つものとは・・・・・・

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開発の話

ようやっとリリースできました!

このゲームは、今年1月末に行われたGlobalGameJamという48時間でゲームを作るハッカソンでプロトタイプが製作されました。

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WaveWeaver | Global Game Jam

僅か48時間で、ゲームの核となる機能はできあがっていたのですが、その後、レベルデザインを何度もやり直したり、エンディングなど、演出を強化したりと、リリースまでなかなか時間が取られてしまいました。

GGJ当日の製作の様子はgihyo.jpに掲載されているイベントレポートをご覧ください!

ソーシャルゲーム,ボードゲーム,ファミコンまで!? Global Game Jam 2014参加レポート:レポート|gihyo.jp … 技術評論社

技術的な話

このゲームは、cocos2d-x 3.0のβ版で実装されました。おそらく日本国内最速レベルのプロダクトかと。

そして、前作『VOXCHRONICLE』はiPhone向けにしか提供しなかったのですが、今作はiPadAndroidにも対応。慣れないクロスプラットフォーム開発となりました。

シンプルなゲームだったのが幸いし、移植は割とすんなり行えました。Androidの開発ノウハウも得られてよかった。

開発の詳しい話は、後日別記事にまとめたいと思うのでお楽しみに!

まとめ

とても難しいゲームですが、短くテンポよく遊べ、音や演出も気持ちいいので、なかなか中毒性のある作品に仕上がりました。60秒突破後のエンディングは必見です。

ぜひクリアしてみてくださいね!

for iPhone / iPad

https://itunes.apple.com/jp/app/waveweaver/id841280819?at=10l8JW&ct=hatenablog

iTunes の App Store で配信中の iPhone、iPod touch、iPad 用 WaveWeaver

for Android

Android app on Google Play

Wave Weaver - Android Apps on Google Play

『VOXCHRONICLE』も好評配信中

行動と音が同期する、コマンド選択型奥スクロールRPG、『VOXCHRONICLE』も大好評配信中!

是非遊んでね。

アーケード愛溢れるドキュメンタリー映画『100 Yen The Japanese Arcade Experience』を見ました

海外のアーケードゲーム狂が、3年かけて日本のゲームセンターを取材して撮影したドキュメンタリー映画、『100 Yen』を見ました。

100 Yen: The Japanese Arcade Experience | Insert coin. Blow your mind.

どんな映画?

上手くまとまらなかったので以下の記事を参照のこと

日米のゲーセン文化を外国人が描くドキュメンタリー映画『100YEN』がDVDでついにリリース : Kotaku JAPAN

見てみた

アーケードゲームの歴史とゲームセンター今昔

アーケードの歴史の章では「スペースインベーダー」、「ストリートファイターⅡ」、「Dance Dance Revolution」の3作品はゲームセンターのビジネス構造すらを変えたパラダイムシフトを引き起こした作品と述べられていたのが印象的でした。

これら3つの時代を対称的に描いていて、時代の遷移によるゲームセンターの移り変わりの描写が上手かった。

平成生まれの僕は、どの作品もリアルタイムの世代ではないのだけど、当時の熱狂というのはどれも凄まじかったんだなあと片鱗を味わえました。 00年代以降、ゲームセンターの規模は縮小し続けていて、まだ第4のパラダイムシフトは訪れていないみたい。最近は基本無料のアーケードゲームが出てきたりと、アーケード業界も変化し続けているけれど、紹介されていた時代のような、社会現象になる域まで来る変化というのはもう訪れなさそう。

ゲームセンターの社会的役割

ストリートファイターⅡ』以降のゲームセンターは、ゲームを通したコミュニティを形成し、サロンのような役割を果たしている、という考察がされていて、ゲームというのは、社会と関わりを持つための潤滑油という側面が強いなあと感じました。

ゲーム自体が楽しい以上に、ゲームを通じて誰かと交流したり、あれこれ話しあったり、そういった環境全体こそがゲームのもたらす重要な体験だというのは今も昔も変わらず。 昨今のソーシャルゲームブームも、一見アーケードとは対極の位置にいるように見えるけど、こういった系譜を受け継いでいるんだなあと考えると、なにかインスピレーションが沸く感じがしますね。

北米と日本のゲームセンター

劇中では始終、「北米ではゲームというのは子供の遊びで一般層に受け居られていない」「日本ではゲームセンターを軸に国民皆が楽しんでいて、文化の一つになっている」と言われていました。

日本人からすると、評価されて嬉しい一方で、果たして日本では一般にゲームが受け入れられているのだろうかと違和感を覚えざるを得なかった。

日本のゲームセンターは確かにライト層にも入りやすいような企業努力がなされているのだけど、それ以上にゲームなんて眼中にない層が多数存在しているので、まだ文化と言えるレベルには達していないのでは、という感想を持った。やはりゲームセンターはまだまだ敷居が高い感じが否めない。

総評

僕はゲームはタダの暇つぶしではないと考えてゲームを作り続けているけど、劇中でも作り手としても、遊び手としても、ゲームに人生を捧げている人がたくさん登場して、自分はまだまだだなあ、という気になりました。

最近、『幸せな未来は「ゲーム」が創る』という本を読んでいて、その中でも述べられているのだけど、ゲームはタダの余暇ではなく、人類そのものを幸福にする可能性を秘めてるという主張はステキな感じがしますね。

見たい!という方は

以下の公式ショップでカナダから輸入できます。DVDと送料で39.98カナダドル。約4000円。

100 Yen Film

リージョンフリーの日本語字幕付きなので、問題なく楽しめます。

わざわざ輸入するのは敷居が高い感じあるのでダウンロード販売あるといいですね、って書こうと思ったら、iTunesでも販売されているみたい。

iTunes - Movies - 100 Yen: The Japanese Arcade Experience

これ、米国版のiTunesでしか販売してないんですけど、字幕とかちゃんと付いてるんですかね。不安な方はDVDを輸入することをオススメします。

札幌C++勉強会で聞いたクリプトン・フューチャー・メディアの開発技術

12/7、札幌C++勉強会が開催されたので出席してきました。

Sapporo.cpp 札幌C++勉強会 #5 : ATND

会場はなんと、あの初音ミクの発売元、札幌が誇る企業クリプトン・フューチャー・メディアさんの会議室をお借りしました。

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札幌にいてもほぼ入る機会はないので感激。会議室を使ったIT系の勉強会は今回が初だったよう。

入り口ではミクグッズがお出迎え。

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最近のC++の動向

最初はC++の歴史と、最近のコミュニティーの様子のお話

網羅的にC++の動向を知れるのは嬉しいし、参加者のレベル差を埋める上では非常によい発表だと思うので、他の勉強会でもやって欲しい。

C++11の不勉強を思い知らされました。もっと学ばなくちゃなあ。

C++1yのお話は、熱心に闇の魔導師達の動向を追っていなければ耳に入ることはないので具体的な話が聞けてもっと調べたくなりました。果たして何年後に出るんでしょうね。

Piapro Studioの紹介

本日の目玉、クリプトン社が社内で開発している「Piapro Studio」というプロダクト開発の裏側です。

Piapro Studio Official Website

Piapro StudioはDAW(作曲ソフト)のプラグインとして動作するVOCALOIDエディター。Windows/Mac両対応。 VSTiという、多くのDAWが採用しているプラグイン規格に準拠しているため、多くのDAWで動かすことできます。 これにより、手慣れたDAWで作曲をし、シームレスにボーカルを編集することを可能にします。 ホストのDAWと完全に同期した作業が可能で、DAWでの部分再生などにボーカルが追従するのが特徴です。

諸般の事情でスライドはアップできないようなので、詳解は控えますが、開発の裏話が聞けて満足度が高かった。

VSTiの開発という点だけにおいても、割と特殊スキルだし、それ以上にVOCALOIDを扱うというのが非常にニッチなノウハウでした。

特に、VOCALOID APIの仕様上、子音と母音の発声タイミングが分かれているため、DAWの再生位置を先読みし、実際の発音タイミングより早めに発声させてやるなど、VOCALOID特有のノウハウの話が印象に残っています。

クロスプラットフォーム化も大変で、VisualStudioのC++11標準ライブラリの挙動がクソ、boost素晴らしい、UIのクロスプラットフォーム化は難しいというお話でした。

C++の技術力の高い恐い人たちであっても、クロスプラットフォーム化にはプリプロセッサで分岐させまくる、みたいなアプローチしかないみたいで、C#のConditional属性みたいな言語機能が欲しいなあと思いました。

社内でのJenkinsの活用方法なんかも聞けて満足。VSTiは製品の性質上、テストは難しいようです。テストの話も突っ込んで聞きたかったなあ。

今回のスピーカーの方は全員DTMerでした。やはりDAWを使い込んでいないとVSTiというものは全く想像ができないものですし、特殊な専門知識が多くて敷居が高い。

スピーカーの一人、id:heisseswasserさんが書いたVSTのホスト側の実装技術については下記の記事に詳しいです。いつか挑戦してみたい。

VSTホストを作ろう! - hwm's blog

STLヘッダリーディング

gccのstd::vectorのヘッダを読みました。

vectorは頻繁に使うのですが、もっとちゃんとドキュメント読まないとダメだな、と不勉強を痛感。

C++11になって、インターフェイスは変化せずとも、内部実装はドラスティックに変化していたことが興味深かったです。

なかなか自分でSTLを読もうという気にはならないので、次回以降も続けてほしい。

cocos2d-x 3.0 + C++11で始めるゲーム開発超入門

ガラッと変わってゲーム開発のお話。僭越ながら私が発表させて頂きました。

(気付いたらたくさんブックマークついてる!ありがとうございます!)

ネタ要素を加える時間がなかったのですが、この日の発表で一番ウケが良かったような感じがして嬉しく思っています。

cocos2d-xは本当に好きなフレームワークなんですが、周りにオススメしても、Objective-C由来の独特の構造を嫌い、なかなか手にとって貰えないという問題がありました。 今回はC++を日頃書いているエンジニアの前で話すため、C++として見たときのcocos2d-xというフレームワークが如何に良くない点が多いか、という点を重点的に話しました。

世の中にはcocos2d-xすごいという紹介記事が大半な印象を受けるのですが、Objective-CC++(場合によってはJavaLuaJavaScript)の習得が必須ですし、やはりエンジニアリングの敷居はまだまだ高めに感じます。

スライドで述べているとおり、cocos2d-x 3.0で多くの問題点は改善されている印象を受けるので、今後さらに流行ってほしいですね。

拙作『VOXCHRONICLE』や札幌でのGlobalGameJamの宣伝もできて良かったです。

まとめ

普段表に出ないクリプトン社での開発話が聞けたのは非常におもしろかったです。 元々クリプトンさんは、音源の代理販売の会社で技術というイメージが少なかったので、非常に高い技術力と、特殊な開発環境に感銘を受けました。

VSTiの実装は大体の人が関わることはないだろうし、ましてやVOCALOID特有のノウハウというのはクリプトン社にしかないはず。

札幌から全国的にも貴重な情報が発信できるのは、道民として非常に嬉しいので、今後ともクリプトンさんの活躍に期待せざるを得ませんね。

運営の皆様、本当にありがとうございました!